第8話 山田君VS尾崎君(前編) (2000.09.05)


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今回は我々の間では伝説となった「YAMADA スピーカー」の話である。 伝説となるぐらい面白いものなのだが、正直言って、この面白さを文章で伝える自信がない。 というわけで、自分を盛り上げながら読んでください。 つまらないと感じても、奥底に潜む面白さを感じ取る努力をしてください。

PCの部品などは、アジアの国々でたくさん作られている。 日本人ユーザー向けに、箱や説明書に日本語を書くことがはやっているらしい。 しかしメーカーの中に日本語がわかる人はそう簡単にいるはずがない。 そこで、これはあくまでも予想であるが、翻訳ソフトを使って日本語を書いているらしい。 するとおかしな日本語が書かれるわけである。 しかも堂々と売っているわけである。

去年の春、大学の研究室で、大量のPCを購入した。 当然同時にスピーカーも大量に購入した。 安くて性能が良さそうだという理由で、こんなものを選んでしまった。 大量に……。

これが伝説の始まりだった。 一見普通のスピーカーであるが、箱には大変なことが書いてあった。
・ Hi-Fi サウンド音響効果をそ,くり似ている
・ 物件と環境の配合がいい
・ 深く感動して,音域が廣い
・ 型小さい,能量一が大きい,ボ音は清晰
・ 大容量120W

Hi-Fi サウンド音響効果をそ,くり似ている
まあ、「擬似 Hi-Fi サウンド」とでも言いたいのだろう。 まず目に付くのが「っ」が「,」になっていること。 まあ、それほど面白いものではない。 「そっくり似ている」という響きが1つの伝説となった。 例えば「このゲームはビートマニアに似ているね」を、「このゲームはビートマニアをそっくり似ている」などと言うのがはやったものだ。

物件と環境の配合がいい
よく意味がわからないが、最も大きな伝説となった言葉である。 何が「物件」なんだか、何が「環境」なのか、どうして「配合」するのか全くわからなかった。 みんなしてどういう意味か一生懸命考えたが、どうしても考えながら噴出してしまう……。 全く恐ろしい言葉だ。 なにかいいものが見つかった時「配合がいい」と呟くのがはやったものだ。 伝説が伝説でなくなりかけたころ(まだ伝説だが)、どうやら「どんなPCにも付けられるよ」というような意味であるという仮説が浮かび、まあそういう意味であろうと落ち着いた。

深く感動して,音域が廣い
「廣い」は「広い」という意味だ。 とすると、おそらく「出せる音の周波数の範囲が広い」、つまり「低い音も高い音も出せるよ」という意味であろう。 注目すべき点は「深く感動して」である。 これもかなりの伝説となった。 例えば「このゲームはめちゃくちゃ面白いよ」を、「このゲームは深く感動して面白いよ」などと言うのがはやったものだ。 DOCの馬の名前にも「フカクカンドー」なんて付けたりもしたような。

まあざっとこんなものである。 つまらなかったって? いやいや、そんなはずはない。 バチが当たる。 まあ、文章が下手なのでしゃあないな。

結論:海外のメーカーさん。 変な日本語は深く感動して楽しめるので、これからも期待しています。 でもスピーカー本体にまで印刷するのだけは、今後控えてください。


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