私の目指す、環境共生住宅
【 群馬県中之条町の人工林 】
ぐんまの木活用コーディネーター 都築 正男

木造住宅は、エライ!
 
 木造住宅はエライ!と聞くと、ありふれた住宅メーカーの宣伝のようですね、でも今日から木造住宅への考えが変わるかもしれません、特に現在木造住宅にお住まいの方は、地球温暖化防止に貢献していると思えるはずです

■国際的な地球温暖化問題と、木造住宅

皆さんが、身近で地球温暖化防止に貢献している事と言えば、ゴミの分別回収・リサイクルと、省エネではないでしょうか。これらもすべて地球温暖化に歯止めをかける為、二酸化炭素(CO2)の放出を減らす為です。京都議定書ではCO2削減目標(他に温室効果ガス5種類)を1990年レベルから世界全体で5.2%、日本は6%の達成目標を掲げて、削減を目指しています。そこに木造住宅も深く関わってきます。それは、製造過程と人工林にあるのです。

■製造過程における木の、エライとこ

 木(木材)は、その製造過程において化石燃料をほとんど使いません。むしろそ の製品の中にCO2の元となる炭素を貯蔵しています。化石燃料を使わないと言う事は製造時におけるCO2放出も少なく、その放出量は1立米あたり鉄の約1/350、アルミの約1/1400と極めて少ない数値となっています。また木はその体内に1立米あたり250sもの炭素を貯蔵しています。製造時に発生するCO2量は、1立米あたり炭素量で15sですから、製品になってもまだ235sも蓄えているわけです。

人工林の必要性

 ここで、CO2削減の一番の貢献者である木を伐採したら?という疑問をもった方もいるかもしれません。しかしこれこそ人工林の大きな役割の一つなのです。今日本には約2361万haの森林があり、その内約1036万haが人工林です。群馬県全体では、県土の67%にあたる42haが森林で、その1/4が民有人工林となっています。また、そのほとんどが樹齢40年以上で、伐採時期を迎えているのです。木が一番CO2を吸収するのは、その生長過程ですから、人工林を伐採し住宅や木材製品として炭素を蓄え、また植樹するという大きなサイクルが、地球温暖化防止に大きく貢献する人工林の役割なのです。
 しかし、現状は群馬県産材出荷量だけをみても、昭和
41年をピークに平成13年では、1/5程度まで落ち込み、同時に伐採後の植樹も減少しています。国では、新に定められた「森林・林業基本法」の、森林の有する多目的機能の発揮目標として、森林の適正な整備および保全の実地を計ることとし、とくにその中で、1999年の国産材の供給量が、2000万立米であったものを、2010年には2500万立米に増加するよう定めています。この増加の意味は、京都議定書における温室効果ガス排出削減目標6%のうち、削減分を森林からの吸収源として認め、最大で3.9%を差し引きできるからです。(差し引くと、削減目標は実質2.1%)しかし省エネルギーや、製造過程を含めた製品(自動車を含めて)からの放出・排出の制限は、厳しく話題になっても、森林における二酸化炭素吸収への配慮は、話題になることの少ないのが原状です。
 自然林は、国のいえ世界の宝として大切に保護し、人工林は、その大切な役割を担う為にも、伐採・植樹を含めた多様な森林整備が、いま大切な時期なのです。

【 伐採後、植林された群馬県吾妻町の人工林 】
人と木の大切な関係

では、もっと身近な所での木の役割は何でしょう?五感のうち味覚は別として、次のような効果を感じているはずです。

「視覚」明るい・きれい・暖かそう・自然な感じ

「触覚」軽い・やわらかい・暖かい・歩きやすい

「聴覚」音がしずか・うるさくない

「嗅覚」匂いがいい

材種により差はあると思いますが、みなさんも感じたことがあると思います。木とコンクリート飼育箱でのマウスの実験では、下記のような結果もみられています。

木製飼育箱

コンクリート飼育箱

尻尾などの温度

温かい

冷たい

乳児の皮膚表面

さらさらしている

べたべたしている

捕まえた時

比較的静かにしている

あばれることが多い

共同生活をさせた時

おっとりしている

けんかが目立つ

母親の授乳

子供をかき集める

かき集める度合いが少ない

給水

給水の減少が早い

比較的遅い



また、
RC校舎での教師の感想では、下記のような結果が多くみられました。

------------------------------------------------------------------------
うるさい・子供が落ち着かない・声がこもる・湿気が多い・冷たい・滑りやすい・疲れる・硬い・危ない・掃除の方法が変わる・
------------------------------------------------------------------------

この結果で、木がすべてに勝るとは言えません。では、なぜ木が暖かみを感じ気 持ちの安らぐ空間なのか?視覚効果や臭いももちろんありますが、それは熱伝導率にあるのです。マウスがなぜ静かにおっとりしていられたのか?それは、木の飼育箱によって、体温を奪われず快適だったからです。母親が子供を集め授乳できたのも、母親がじっと静かにしていられた木の空間だったからではないでしょうか。また、
RC校舎での感想結果からは一概に比べられませんが、昔の木の校舎を懐かしいと感じるだけではなく、そのころの子供達の様子が、現在の子供達と違うと感じることも多いかと思うのです。もちろん昔の校舎をそのまま再現するわけではありませんが、最近の保育園・幼稚園では、木のぬくもりある園舎が主流となりつつあるそうです。
居住環境の落とし穴

生物は、基本的に楽な道を選択するようになっているのかもしれません。特に、人間は楽な環境に順応しがちで、その分機能や対応は退化していくのです。最近の住宅は、(当社も含めて)「これでもか、これでもか」の高気密・高断熱の高機能化が進み、その分人間の機能や健康は、低下しているのではないでしょうか?
 一般に新築住宅を希望するお客様は、高気密と高断熱を同レベルで考えがちです、高断熱は確かにこれからの住宅にとって必要でしょう、しかし高気密はいくら高めても、出入りや換気・通風によるドア・窓の開閉により、気密は損なわれるのです。気密を高め、換気にお金がかかるという、現在の制度(改正建築基準法制定)を作り出したのも、われわれ人間なのです。人間の居住空間が、安全であるべきなのは言うまでもありませんが、生物体としての機能や順応性までも奪いかねない現在の住宅の流れは、逆に人間に有益なものとは考えられない部分も多くあるのかと思うのです。
 しかし、人間の健康を害する有害物質は、排除しなければなりません。現在のエコロジー建築(環境共生建築)の中では、アスベスト製品・塩化ビニル製品の管理対応を高め、ホルムアルデヒド等の発散によるシックハウス問題(室内空気汚染:VOC規制として国が対応済み)は、起きてはならないことです。しかし、どんなに規制を高めても住む側が高気密・高断熱の扱いを間違うと、換気不足・結露・カビ・ダニといった危険と隣り合わせなのです。人間に優しい住宅は、害虫も含めた虫や菌にも優しい住宅だということを、忘れてはならないのです。
 無垢の杉材には高い調湿性能があり、また檜には防虫効果や精神安定効果があるということを、一度は聞いたことがあると思います。精神医学分野では、アミン神経系の機能障害に起因するうつ病や分裂症は、環境中の騒音のようなマイナス要因で生じるのではなく、環境中のプラス要因の不足から生じることが注目されています。成長過程にある子供の生活環境として高気密・高断熱、とくに高気密は、ある一定のレベルは必要でも、過敏な人間を作らないために「ほどほど」も重要なのではないでしょうか。

これからの住宅

高気密・高断熱は、人間が外気と分離して生活するということです。近年、アトピーや花粉症が増えたのも、住宅環境の快適さ向上と無関係とは思えないのです。確かに冷暖房の負担軽減すなわちCO2放出量の軽減策としては間違っていません。しかし、評価がエネルギーの効率だけを求めた比較的分かりやすいものに片寄りかちで、それとは逆に、自然共存型の生活は評価しにくいのです。
 これから私達の目指す環境共生住宅では、調湿性や精神安定効果に優れた木材を使い、自然通風や計画換気の備わった生活空間が、人間にとって一番大切なことと考えています。それがエコロジー・エコシステムの基盤であると思うからです。

群馬県の県産材利用計画

 今、群馬県では、マイホーム建設資金利子補給制度や柱100本プレゼントなどの、県産材利用促進に力を入れています。利子補給制度では、最高で¥358,800円の利子補給額(平成16年度利子補給期間5年間)が受けられ、また住宅ローンを利用されない人でも、新築住宅に柱の(最高で110本)プレゼントが受けられます。(ただし併用は、出来ません)どちらの場合も、「ぐんま優良木材」(120mm角以上、含水率20%以下の乾燥材)の使用となり、これをクリアーできる認定工場からの出荷となります。詳しくは下記の相談窓口へ、お問合せ下さい。
 
 【 県産材利用のご相談 】

ぐんまの木活用コーディネーター 都築 正男・・・0277−77−1521

 【 制度について 】

群馬県土木部住宅課・・・・・・・・・・・・・・・02
7−226−3726

群馬県林務部林業振興課・・・・・・・・・・・・・027−226−3236