【第1部門奨励賞】

水差し 赤と黒  畠山 耕治

 なによりも大切なことは、「ひとが呼吸(いき)をしている」ということであり、「すべてにひとに呼吸を通す」ことである。このことが、僕の意識を揺り動かしてくれ、この先いかに社会と関係していくかという命題を与えてくれる。そしてそのことが、社会の一員としての表現者の位置を、ささやかながら設けてくれるのだ。
 人間の精神や魂をつき動かす情景が非常に稀薄に感じられる現在、ものの奥に潜んであるもの、それが僕の呼吸を整えてくれるのである。



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