【奨励賞】

「小象の頭」三船 温尚

67 小象の頭 三船 温尚

 天明の地、佐野で開催される第一回の記念展で栄誉ある賞を戴き、心より感謝いたします。今へ継承された、人類数千年の鋳金の歴史を想い、明日へつながる仕事をしなければと反省のこのごろです。鋳金作品だけの公募展は、全国でも初めてではないかと思います。今後益々、若い鋳金作家の目標となるような展覧会に発展しますようお祈りいたします。
 私の鋳金の仕事の全ては、原型造りにあると思っています。単純な形でも、ある意志を込めて造れば、やがてその形は身震いをはじめ動きだすことがあります。次には、それまで形のまわりで止まっていた空気が流れだし、風となり、心がワクワクと躍ります。形が生命を持つ時です。作品の前に立つ人々の心に、少しでも強い生命力が及ぶことを願って、粘土をつけたり削ったり、苦悩の原型造りは続きます。そう簡単には、原型は動いてくれません。



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